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あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
しばらく出張しておりました。そのことについては、また別の機会にお話しすることとして、今回は「ビデオによるスポーツ分析ーミドルズブラのケース(概略)」を紹介することにします。 きっかけは、正月休み期間に読んでいたMac雑誌。そこに魅力的な記事が掲載されていました(『Mac Fan』 2009.2月号)。記事の概要を分かりやすく簡単に説明すると、北京オリンピックの影にビデオによる競技分析の技術が活用されており、フェンシング日本代表の太田雄貴選手をはじめ多くの競技・選手が利用していたといった内容です。ソフトボール日本代表がアメリカチームのエースであるオスターマン投手の投球の癖を見抜くのにも利用されたと記事では書かれています。その分析のための専用ソフトこそ「スポーツコード(Sports Code)」。 ソフトの概要は次のようなものです。ビデオ撮影しているものをMacのハードディスクに記録し、同時に「XX番の選手がゴール右側にシュートした」といったデータを入力する。すると、どの選手がどのようなプレーをしたかのデータベースとして利用できるというもの。戦術指導にもトレーニング指導にも利用できる、という画像解析ソフトなのです。 どうしてこの記事にそれほど惹かれたかというと、インタビューに答えている国立スポーツ科学センター(JISS)の白井克佳氏の次の言葉に触発されたためです。 「学校の部活でも、映像を見せることで生徒の理解度は高くなり、自分で考えて練習に取り組むことができるようになります。そうすれば、練習密度も濃くなりますし、幼少時代からインテリジェント・アスリート*の資質を磨いて行けば、将来、大きな武器になります」(既出記事21ページより) *インテリジェント・アスリートとは、自分自身で状況を分析して考えられる選手のことだそうです。 かつてサッカー解説者であり、S級ライセンス(日本代表の監督もできるという最高ランクの監督ライセンス)を取得して、現在はカマタマーレ讃岐の監督をされている羽中田昌さんの言葉を思い出しました。ちなみに、羽中田さんは車いすのサッカー監督であり、TBS情熱大陸や報道ステーションなどでも紹介された方です。スカパー!解説者時代に私は羽中田さんの存在を知り、その解説の分かりやすさやサッカーに対する強い熱意、選手に対する厳しい眼差しと思いやりのあるコメントに対して、ある種の感動を感じていました。私自身、羽中田さんの解説する試合はいつも楽しみに見ていました(羽中田さんのブログもたまに見ていますが、やはりサッカー解説の部分は良いですね)。 その羽中田さんが、報道ステーションの番組で、「車いすで監督している以上、手本を自分で見せることが出来ない。しかし、そのことがかえって良い効果を及ぼすのだ」と話し、「監督として教えたいプレーのイメージを自分が編集した欧州サッカーの映像を見せ、そしてそのイメージの意図を伝えることで、選手たちが自分たちで考えるようになったから」と語っていたのです。 たしかに映像による意思の伝達の方が、言葉や行動よりも、効果的なことがあります。私個人は大学時代にボート(漕艇)をしていたのですが、本当に役に立ったのはなんとかオリンピック(いつだったか忘れましたが)のオランダ人選手のプレーでした。彼らの体の動き、リズム、レースの運び方、いわばそのオランダ人選手のローイングイメージとでもいうべきものを、ビデオをみて体得したのです。どんな先輩の指導よりも、自分の身体の中に入ってくる感覚がありました。おそらく羽中田さんの伝えたいことはそんな感覚なのではないかと思ったのです。 で、今回の「スポーツコード」というソフトは、そういった画像にデータベースを合体させるというものなのです。画像が統計データとリンクしているので、過去20試合の映像の中から「○○選手」の「シュート」のなかで「成功した」ものだけ抜き出し、連続再生できるというのです。それをiPodに移行させれば、選手はその成功イメージをいつでも簡単に見られる。私にとって、これはものすごく「しびれる内容」でした。 で、ようやく今回のタイトル「ビデオによるスポーツ分析ーミドルズブラのケース(概略)の紹介」になります。ここまでは、雑誌の記事をまとめただけであり、それに個人的に尊敬している羽中田さんのことを少し書き加えただけにすぎません。ですので、この「スポーツコード」活用事例を別のもので見てみて、より広い活用事例を検討してみようと思ったわけです。今回、ミドルズブラを選んだのは、個人的に好きなプレミアリーグの知識を活かすのと、それを増やすという二つの理由があったからにすぎません(ミドルズブラに関する事例紹介のオリジナルページはコチラ)。 その内容を簡単に紹介すれば、次のようになります。 「コーチ陣は「画面にくっつき」症候群になるのではとの心配を当初抱き、一部そのようなこともあったものの、(コーチと選手の)質の高いやりとりが自然に起きるようになった。(中略)このシステムを導入したことによる本当の意味での恩恵は、選手とコーチにディスカッションが生まれたことであり、1人の選手の動きに対する設定をおこなうことで、各自に焦点の定まった集約的な視点が得られたことです。(そこで生まれた)ディスカッションはゲーム中に生じたことです。それは、つまり回想などではなくエビデンスに基づいているのです。(中略)もうひとつのシステム導入の利点は、選手が自分自身の生きた記録を家庭に持って楽しんだり反省したり、両親とシェアできたりすることです。コーチは、もう一度振り返ることのできる記録を、試合全体だけではなく、個々の選手に関する記録として、持つことができる。それは、コーチからすれば選手の評価やチームのパフォーマンスを知る手がかりを得るということなのです。」(以上は、簡単な抜粋) その他にもコーチ同士でデータ共有し、コーチ教育に利用することもあるようです。 実際には、スポーツだけでなく、様々な行動様式の分析にも活かせる道がありそうです。現に、医療分野や工場生産などにも利用されているといいます。データベースの設計を勉強したものとして、本当に魅力的なソフトウェアです。 日本のプロ野球でも、広島東洋カープが既に導入しているといいます。吾が愛する中日ドラゴンズはどうなのでしょうか。少し気になるところです。 |
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ビデオ分析
どもです。初めてコメントします。
面白い情報ですね。このソフトは初めて聞きました。 スポーツ医学の分野でメジャーなのものに「ダートフィッシュ」という 解析ソフトがあるのですが、「スポーツコード」のほうが、お手軽な 感じでしょうか? ↓ダートフィッシュのHPです(貼り付けちゃっていいのかな?) http://dartfish.co.jp/New/index.html 「ダートフィッシュ」のほうは情報のタギングだけではなく、動作解析 に力を発揮します。 たとえばボールの軌跡だとか、水泳での飛び込みの角度だとか、 ジャンプの距離だとか、ボールをキックするときの下肢の関節角度 変化だとか・・・それを他者や自分自身と、数値でも画像でも比較 したりできるわけです。 (購入を検討しただけで、実際に使ったことはないんだけど) 従来の三次元動作解析システムなんかは信じられないくらいに 高額だし(部屋ごとそろえたら億単位、マシンだけでも数千万)、調整 が面倒でフィールドレベルではとても使えなかったけど、最近のこれら のソフトはほんとに便利です。 信頼性は若干落ちる可能性はあるし、二次元での解析になってしまう のですが、フィールドレベルでは十分でしょう。 おまけに「スポーツコード」のほうはipodに簡単に読み込めるなら、 こりゃすごい! 変換ソフトでipodように動画を変換するのって結構めんどうだもんね。 日本のプロスポーツチームではどちらが導入事例がおおいんでしょう かね?中日ドラゴンズはダートフィッシュをつかっているようですが。。。 あとはどうフィードバックするかですね。 フィードバックのタイミング、フィードバックの種類(自分の画像を見せるか お手本の画像か)などによっても、技能の定着は有意に異なって しまうわけで・・・人間の運動学習の過程は本当に面白く、刺激に満ちて います。 インストラクションの方法に関する議論は中枢神経系のふるまいにも かかわってくるところだと思うので、かなりアツい分野ですよ。 しかし、世にいう名コーチという人たちは、これらをコンピュータに 頼らず、経験と、自分の目だけでできてしまうわけで・・・ やはり人間の能力はすごい。 中枢神経系のふるまいにかかわるアツい分野
Nじまさん、コメントありがとうございます。
ご紹介のビデオ解析ソフトも魅力ですね。中日ドラゴンズはそのダートフィッシュだったとは。 フィードバックに関する議論は確かに魅力的です。技能の学習効果をめぐる議論は、いろいろありそうですね。より効果的な学習を導くためには、などと考えると刺激的です。 他方、名コーチの下りについても同感。人間が行為するものである以上、動きの解析のみならず、感情だとか、運動に対する取り組み姿勢だとか、精神性に関わる要素も大きな影響を及ぼすことでしょう。どんな高価な画像解析を使っても見えない領域の存在。名コーチといわれる人が果たしている役割はそのあたりなのかもしれません。 |
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